六月九日
6月、いいペースが戻りつつある。お店の入り口ドアを開けたままにするか、閉めておくのか、ずっと悩み続けている。閉めておくと入りづらさが否めない、ただ開けっぱなしだと外の音や話し声などがどうしても店内に響き渡ってしまう。ケースバイケースか。大切なのは本を選ぶ時間の邪魔にならない事で、閉鎖的にはしたくないので難しい。昨日は溜まりに溜まった本の書き込みを消す作業。右腕つりそう。書き込みしながら読む人って、とことん書き込みをするので全然終わらん。あと、その人が重要視した箇所がもろにわかるので気になって余計に終わらん。おわらんーーって言いながら、消す。終わらん。ラインの引かれた「死んだものや生まれていないものとは対話できません。」「自由は、善悪の対岸にあるもの。」という箇所が目に入る。オープン当初から決まり切らない棚割。試行錯誤の日々。今求めているのはメリハリと鮮度。入り口すぐの文学の棚を崩して人文や暮らし、カルチャー関連を混ぜる。野呂邦暢と芝木好子の単行本、売れたのが嬉しかった。
六月十二日
本当に好きなものや興味があるものはひとりで楽しみたいというのが、こっそり、ずっとある。それは独り占めしたいという意味ではなくて、それに向き合うひとりの時間が欲しいということ。お店だってそうだ。気になるショップや場所にはまずはひとりで行きたい。だから僕は古本屋なのだと思う。真夏のような水曜日。最近のお昼ご飯のお供はPodcast「岡田と真鍋の本の話」。ひとりとひとり。高架下に自転車を止めてマッチを一気飲みする男子校生よ